ライフル3話、FGO8話に参加されていたJJ(堀尾鉱)さんの
演出記事が面白くて、先日課金して有料記事のライフル3話の
記事を拝見させていただいた。

☆ttps://www.pixiv.net/fanbox/creator/17266667/post/615669
(☆はhにすると見れます)



正直、これは自分が見ない方が良かった記事だったのかもしれない。






アニメーターとして1カットの完成度を高めたいという意志は
立派なものであり、今回のJJさんの記事はそれを強く感じ取れるものだった。


(超望遠の構図を使うべく、アッコちゃん3期やナージャの細田回を参考にしたり、
昼食の絵を描くために実際にファミレスに行って、事細かに食べ物の
特徴を描いたりなど、意識の高さを感じられる)


では、何故自分が見ない方が良い記事だと思ったのか?



それは、元々上がっていたコンテから大分内容が改ざんされたこと、
というか、コンテの内容に不満みたいなものがあったから
演出や作画監督の了承を得た上で内容を変えた、という内容の
文面がちらほら見られたからです。



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↑ 文脈から察する元々の内容と思われるコンテ
(全て、自分の勝手な妄想です。あととっても見づらいです)



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↑ 実際の映像



個人的には、JJさんの言い分は至極真っ当で、空間の広さは
より強調されたと感じられるしPANを付加することによって画面上に
ウォームアップ感が生まれるというのも納得が行きます。
3話冒頭で感じた掴みの良さにも、合点が行きます。


問題なのは、絵コンテを担当したベテランの西田正義さんの仕上げたものが
本人の目の届かない所で勝手に内容を変えられてしまったこと、
そして、JJさんと同じような考えを持っている人が他にもいて、
(と思ったのは、この話数は西田さんのコンテらしくない構図がちらほら見られたから)
結果的にコンテを一から描き直す事例が多く発生したことで、
そのことがこの作品のスケジュール遅延に繋がったかもしれない、ということです。


前者は西田さんの仕上げたものが監督のチェックを通過して
「あとは演出と作画さんにお任せします」とおっしゃっていたのであれば、
それは仕方がないと思います。



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でも、東雲さんのスマホ持つ手に関しては西田さん、
あるいは高橋監督に確認とった方が早かったと思う。
東雲さんがスマホ左手で持ってるのは原作がそうだったからで、
あくまで西田さんもそれに合わせたのだと思います。
(というか、右利きでもスマホ左手で持つの、そんなに
珍しいことじゃないと思います。自分も時々左手で持つことあるし、
お前の常識なんか知るかと言われれば、それまでですが…)



後者、アニメーターとして自分が担当するカットに拘りを持つことは大事ですが、
あくまでご自身が各話スタッフの一員であることは決して忘れないで欲しいです。


JJさん、演出の三好さんや制作の中田さん、そして参加のきっかけとなった
作画監督のあずれさんと何度も話し合いをして画面の完成度を高めようとしたことは
とても良く伝わりました。



しかし、皆が皆コンテを内容ごと変えようとしてしまえば、
当然完成は遅れてしまいます。
TVシリーズでまず大事なのはスケジュールを維持することであり、
実際この作品は4話以降ほぼ外注先に委託することになってしまい、
ついには総集編にも頼る形になってしまいました。


(4話以降、外注回が8話以外全て西田さんのコンテなのも
若手の拘りを制御できないと判断された上でのことなのでしょうか…?)



一番理想的なのは監督のチェックを通過した西田さんのコンテを最大限遵守した上で
アニメーター達が演出の三好さん、作画監督のあずれさん達と力を合わせて
見映えする映像を作ることだったと思いますが、どうやらそれは難しかったようです…。
(もしそれが叶えば、今後のスケジュールにはもう少し余裕が生まれていたと思う)


同じくJJさんが参加されたFGO8話はご存知の通り、作画博覧会のような
出来栄えで
尚且つライフル3話よりも完成が早かったとのことです。
同じクールの作品ということ、そしてコンテの内容を考慮して
作品によってはある程度内容をセーブするということを、
若手の人達が覚えてくれたら
今後の作品のスケジュール安定に繋がると思います。


何故、今回こんなに力説したかというと、この作品の西田正義さんのコンテ回、
自分は凄く気に入っていて省力で動かない所が多くても動かすポイントが
実に的確で、作画面で窮屈になっても面白いと思える箇所が多いと感じたからです。
もっと長く、この作品で西田さんの担当回見たくて円盤予約したぐらいです。
(勿論、他のスタッフの頑張りも大きい、特に5話演出の石黒さんと9話演出の曽根さん)


それだけに、若手の人達にとって西田正義さんのコンテが叩き台のような扱いに
なってしまったことが、ただただ悲しかったのです。
そして今後も、西田さんのコンテを若手の人達が扱うことになった際に
同じようなことが起こるかもしれないというのが、心中複雑です。


人材不足やギャラの配分の関係上、近年特に絵コンテと演出が分担されることが
多くなっていって、そのことが各話スタッフ間の齟齬を生んでしまった…
そのこともまた、強く感じられました。


一話数の完成度は絵コンテによって7割決まる、というのはもう昔の話なのかな。





最後に


JJさん、自分は色々言ってしまいましたが今後のご活躍に期待いたします。
あと演出の三好なおさん、3話は凄く大変だったと思いますが
よく完成まで漕ぎつけてくれました。
非常に感謝しています。
あと、7話のことで必要以上に気を落とさないでください。
お二方とも、作品のクオリティアップに貢献してくれた貴重な人材だと思っています。


西田さんは今回のことで少しでも責任を感じているのなら、コンテの数減らしてでも
演出込みでやる話数を増やすべきだと思います。今後は、若手アニメーターに
わざわざ手直しさせないよう、ベテラン演出家としての奮起を願います。