アニメニュースサイト「aninado」が2020年度より
新米小僧さんから引き継ぐ形で
行われているこの企画。
https://aninado.com/archives/2021/12/20/876/


ルール
  • 2021年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
  • 1作品につき上限1話。
  • 思いつき順。順位は付けない。

今回は2年ぶりの参加となりました。

選定作品と話数はこちらです。

memo76



ゆるキャン△ SEASON2 第9話「冬の終わりと出発の日」(放送日:3月4日)
脚本:田中仁 絵コンテ:京極義昭 演出:ながはまのりひこ
総作画監督:佐々木睦美、渡邉亜彩美
作画監督:山下喜光、北島勇樹、塚越修平、会沢佳奈

memo75

ゆるキャンは2期でも京極監督のコンテ回が良い。
空間を広く使って登場人物の生き生きとした姿を映す場面も良ければ
1枚絵を印象的に描いているカットもまた光っている。

初回にオリジナルでしまりんが初めてソロキャンをする話を
導入したことで、1期の初回と良い対比になっていて、
その後の年越しキャンプでしまりんママの娘に対する
距離感がガラっと変わっているのがわかる構成に
なっているのもまた良かったです。

2期はキャンパーに染まったしまりんの成長を密かに喜ぶ
家族の描写も見どころの1つだったと思います。


PUI PUI モルカー 第12話「Let's!モルカーパーティー!」(放送日:3月23日)
脚本・絵コンテ:見里朝希 アニメーター:佐藤桂、見里朝希

memo74

モルカーの生き生きとした表情や動きを前面に出しつつも
道徳的なテーマをそこかしこに散りばめてきた本作品。
その中で最終回だけはテーマや倫理性を奥に追いやったお祭り話を
見せてくれるという見里監督のサービス精神を感じられました。
(同居人のために働くモルカーの様子をしっかり描いてきたからこそ生きた話数でもある)

子供にも大人にも優しい作品、それがモルカーだったと思います。


スーパーカブ 第4話「アルバイト」(放送日:4月28日)
脚本:根元歳三 絵コンテ:小川優樹、相浦和也 演出:片岡史旭 作画監督:木曽勇太

memo68

スーパーカブは小熊一人の世界を丹念に描いていた初回よりも、
礼子と出会って世界が色づいてきた2話~6話辺りの展開の方が好き。
その中で特に印象に残っているこの話数を選出。
茅原さんボイスの文学部顧問、木曽勇太さんによる丁寧なアニメートも
相まって健康的なエロさが感じられて良かったと思います。


ジャヒー様はくじけない! 復興計画その1「ジャヒー様はもどれない!」
(放送日:8月1日)
脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:湊未來 総作画監督:仲敷沙織
作画監督:近響子、櫻井拓郎、髙木啓明、笛木優奈、長田雄樹、
濱田悠示、ビート、石田誠也

memo71

茅野さんの「てへぺろ☆」が破壊力抜群だったので。
ギャグの質や間のとり方においても初回のBパートが
一番緩急が利いてて良かったと思う。


世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する Plan-01
「信用の報酬 Quantum of Trust」(放送日:10月6日)
脚本:高山カツヒコ 絵コンテ:岩畑剛一、田村正文 演出:田村正文
総作画監督:吉川佳織(studioぱれっと)
作画監督:寿夢龍、前嶋弘史、久松沙紀、上西麻耶、今田茜、
金正男、武本大樹、徳、工藤公聖、田村正文
王敏、周健、趙小川、姜智慧(暁・火鳥動画制作集団)

memo66

ローグとクラリス、2人共言葉に棘がありつつも部下(上司)想いで、
でも殺し屋同士だからお互い理解はし合えないという
微妙な関係性を真正面から描いたエピソード。

前世の2人のやり取りに惹かれるものがあったので、
本格的に異世界転生したその後の話数はあまり見る気が
起きなかったのだけど、この話数だけでも
この作品に出会った価値はあったと思っています。 


王様ランキング 第二話「王子とカゲ」(放送日:10月22日)
脚本:岸本卓 絵コンテ:八田洋介 演出:渕上真
総作画監督:河毛雅妃 作画監督:荒尾英幸、河毛雅妃

memo65

広告で裸の王様になっているボッジ王子の姿を見た時は
どこかのほほんとした作風の漫画かと思っていたけれど、
アニメを初めて見た時は驚きを隠せませんでした。

全体的に作画が良く、演出も世界観の描写やアクション演出全てひっくるめて
凄く丁寧に作られている作品。この第二話は目と腕だけの姿でも
感情の豊かさが見えてくるカゲ一族の描写と、傷だらけになっても
また立ち上がるボッジ王子の描写に光るものがありました。
(この頭身の低いキャラデザでも立体感を感じられるの、凄い…!)


無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第十七話「再会」(放送日:11月8日)
脚本:中本宗応 絵コンテ:長井龍雪 演出:髙嶋宏之 総作画監督:齊藤佳子
作画監督:尾西真成人、髙嶋宏之、塚本歩、野田猛、萩尾圭太、吉野彰敏

memo67

あの長井さんが2話連続でコンテ切ってるってどういう作品なんだろうと
思って遅れて見始めたところ、なるほどこれは凄い作品だった。


この第十七話、ギースの説教はやや冗長でテンポを削いでいたと思うし、
この回の演出を務めていた髙嶋さんがコンテ演出を担当していた
第五話や第二十一話のような臨場感溢れるアクション描写がない分
見た目の華やかさも他の回の方が上だったと思うけれど、
この回はそれを補って余りある人物描写が光った話数だったと思います。

  • 幼子を連れて見知らぬ土地を旅するパウロの苦難を少ないカット数で見せていたOP
  • 酒場のマスターに進言されるまでパウロの方を見れず、下を向いていたルディ
  • 現代の男の焦りと怒りを表情を映さずに描き切っている現世パート

この辺りの描写は特に印象的でした。中でも現世パートの表情の見せ方は
凄く鮮麗されたものがあったと思います。(岡田脚本に対する苦手意識が
残ってなかったら、長井監督の過去の劇場版見ようかとも考えたくらい)

2021年秋クールは久々にアニメを沢山見ていたので、他作品への興味と
視聴意欲という点でも自分の心を動かした話数だったと思います。


トロピカル~ジュ!プリキュア 第38話「決めろ! あすかの友情スマッシュ!」
(放送日:11月28日)
脚本:村山功 絵コンテ:西田正義 演出:武藤公春 作画監督:原憲一、Noh Gil-bo

memo39

中学卒業後の進路に悩むあすかと、あすかと同じ高校でテニスが
したいという気持ちを中々明かせずにいる百合子のすれ違いを描いた話。

一話通してあすかと百合子の心理描写に重きを置き、それを丹念に描いた
村山さんの脚本、西田さんのコンテはラリーの応酬を通じてお互いの心情の
積み重ねをテンポ良く描いていて、武藤さんの演出は遊戯王を
彷彿とさせるスコア描写などで画面上に彩りを加えてくれていた。

原さんの作監パートは立ち絵のレイアウトが凄く格好良くて、
Nohさんのパートは端正な絵柄が目立っていた。
小川純平さんによるバトルパートもエフェクト満載で見ごたえがあった。


memo40

そして、芳山優さんのあすゆり愛が詰まった渾身のアニメートが輝いていた!
(担当パートはあすかと百合子の最後のラリーから引きで佇む百合子までと
フラミンゴスマッシュのバンクのラスト描き変え)

各スタッフの仕事ぶりが光る珠玉の回でした。


進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~ 第9話「黒猫のオリガ」
(放送日:11月30日)
脚本:佐藤慎司 絵コンテ:小林一三 演出:金元会 総作画監督:韓承熙
作画監督:慧敏、毛応星、黄鳳、明光、龍光、孫偉

memo73
memo69

『誠一君…君のような強い男の遺伝子が欲しいっ…!』

視聴リストの中に一年に一作くらいはこういう作品があっても良い。


先輩がうざい後輩の話 第11話「めぐる季節」(放送日:12月19日)
脚本:山田由香 絵コンテ:野呂純恵、西田正義 演出:猫富ちゃお、竹内崇
総作画監督:中川洋未 作画監督:久保茉莉子、川本由記子、近響子、永井里奈、
中本尚、板倉健、渥美智也、長尾圭吾、舘崎大

memo72

慌てふためく桜井さんの表情が原作呼んだ時凄く可愛いと思った
初詣デートの後日談話。アニメはキャラデザから逸脱しない程度の
崩し顔になっていた分破壊力が薄れてしまったような気がするけれど、
それでも全体通して光と空気の表現が綺麗で細かな仕草の表現にも
目を見張る点が多かったのでこの話数を選出。

セキレイでもなかったと記憶している、早見さんの「おっぱい」発言を
何度も聴けただけでもこの作品には価値がありました。




最後にまとめ

今年は10作品の内、6つが秋クールに放送されていた作品からのチョイスとなりました。
実際このクールは無職転生を始め、作り手の熱意がそのまま画面に
反映されている作品が多かったと思うので、妥当なのかもしれません。
その中で進化の実のようなチープさ全開の作品に癒しを感じることもありました。

結構悩んだ作品もあるけれど、とりあえず10作選べて良かったです。

それでは、皆様良いお年を!